今度は大英博物館がターゲットに

photo: Jiri Rezac / Greenpeace

photo: Jiri Rezac / Greenpeace

国際石油資本BPがミュージアムや演劇祭に資金提供していることに対する抗議運動は終わらない。

4月7日の投稿にテート美術館でのLiberate Tateのパフォーマンスについて書いたが、今度は大英博物館が標的になった。BPがスポンサーした展覧会「Sunken Cities~Egypt’s lost worlds」(5/19~11/27)の開幕に合わせて、アクティビスト演劇集団BP or not BP?と環境保護団体グリーンピースが相次いでインターベンションを行ったのだ。

「Sunken Cities」展は、1000年以上前にナイル川の河口に沈んだ(地震による液状化が原因と言われる)エジプトの2都市の遺跡から発見された工芸品を展示し、その歴史をたどる企画だ。しかし「Sunken Cities(沈んだ都市)」というタイトルの展覧会をBPがスポンサーしているというのはなんたる皮肉。都市の水没の原因は自然災害だけではない、BPの石油掘削が地球の気候変動に影響を与え、世界の多くの都市を水没の危機に直面させていると主張するアクティビストたちを刺激するものだった。

“ゲリラ・シェイクスピア”を自称するBP or not BP?は、館内の展示会場前に陣取ってシンボリックなインスタレーションと演劇的なパフォーマンスで抗議し、グリーンピースのアクティビストは、博物館入り口の7本の巨大な円柱によじ登り、ニューオーリンズ、マニラ、モルディブなど大水害に見舞われたり水没危機に瀕する都市名をプリントしたバナーを掲げた。

2つのプロテストを比べると、グリーンピースはアクロバティックで派手なアクション、BP or not BP?はコンセプチュアルで儀式的なパフォーマンスと対照的。もちろんメディア報道は圧倒的にグリーンピースが勝るが、BP or not BP?のアートワークとしての介入は、博物館へのボディブローになりそうだ。

BP or not BP?のパフォーマンスはハイパーアレジック参照。グリーンピースのアクションはインデペンデントのサイトで動画を見ることができる。

(秋葉美知子)