ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門:アートが社会と深く関わるための10のポイント
アート&ソサイエティ研究センターでは、2013年からSEAの理論と実践を深く、幅広く学ぼうと、SEA研究会を開始しました。その最初のテキストとして選んだのが、アーティストであり、ニューヨークMoMAの教育課でアダルト&アカデミック・プログラムのディレクターを務めるパブロ・エルゲラ氏の著書『Education for Socially Engaged Art~A Materials and Techniques Handbook』(Jorge Pinto Books, 2011)でした。翻訳をしながら読み進み、日本の状況と対比しながら議論、考察するうちに、この活動がフィルムアート社の編集部の目にとまり、2015年3月、日本語版の出版が実現しました。
この本は、SEAの実践者や大学などで学ぶ人たちを主な対象としたコンパクトな手引き書です。アーティストが社会と深く関わろうとするとき、美術史はもちろん、教育学、社会学、言語学、エスノグラフィーなど、さまざまな分野の知見を活用しながら、コミュニティを構築し、プロジェクトを組み立てていくことが必要だと、著者は強調します。
SEAの実践を望ましい結果につなげるため手法について、「コミュニティ」「会話」「コラボレーション」「敵対関係」「ドキュメンテーション」などの10のポイントを通じて、理論と実例を交えながら、有益な指針や心得を示してくれます。
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