ア・ブレイド・オブ・グラス(ABOG)が再始動

ニューヨークを拠点に、ソーシャリー・エンゲイジド・アート支援に特化した助成で定評のあったNPO、ア・ブレイド・オブ・グラス(ABOG)。コロナ禍の影響を受けて、中心事業のフェローシップ・プログラムを2020年度を最後に廃止せざるを得なくなった。その後、実践者主導の組織に改編して、多方面にわたるリサーチやリスニング・セッションを行い、SEAのアーティストが何を必要としているか、そのニーズを継続的に満たす組織はどのようなものかについて議論を重ね、再始動を目指していた。

その成果がようやく発表されてきたが、注目したいのは、Landscapesと題するオンライン・ジャーナルだ。そのコンセプトは、以下のように記されている。

Landscapes は、A Blade of Grass がソーシャル エンゲージド アートのエコシステムを探求するために作った柔軟なデジタル プラットフォームです。各号は、ゲスト・コラボレーターによって形作られ、それぞれの視点からその分野に関する見解が提示されます。Landscapes は、会話、テキスト、プロジェクトを委託します。

毎号テーマを設けて対話や寄稿を依頼するようで、第1号のテーマは「Another Way」。そのメインコンテンツは、アーティストでSocial Practice CUNYの教授でもあるクロエ・バスが、アーティストに対して投げかけた以下の12の質問で、4人/組のアーティストが返答している。

  1. もし私たちが実践活動に投資するのと同じくらい人間関係に気を配ったらどうなるでしょうか?
  2. もし私たちが人間関係で示すのと同じくらい、実践活動に注意を払ったらどうなるでしょうか?
  3. 否定的な関連性 (つまり、あなたが何でないかを私に伝えること)で、あなたの実践的/芸術的所属を定義できますか? 肯定的な関連性 (つまり、あなたが何であるかを私に伝えること)で、あなたの実践的/芸術的所属を定義できますか?
  4. 芸術という分野が総体として持っているかもしれない、あるいは持っていないかもしれない義務(あるいは芸術とは何か、一般的に芸術がしなければならないこと、してはいけないこと)を忘れてください。あなたの作品が特別に負っている義務は何ですか?
  5. あなたの実践は、それ自体の存続のために機能していますか、それとも時間の経過とともに目立たないものになろうとしていますか?
  6. 芸術的実践において、自分が誠実であることを最も意識するのはどんな時ですか? あなたの作品におけるフィクションの役割は何ですか?  嘘の役割は何ですか?
  7. どこで、誰から、どのように仕事を学びましたか? それはあなたやあなたの今の活動にどのような影響を与えていますか?
  8. 自分の仕事のやり方や制作する作品について、何を学び直したい、あるいは変えたいと思っていますか?
  9. 欲望はあなたの創作活動をどのように形作ったり、影響を与えたりしますか? あなたは自分が何を望んでいるかをどうやって知りますか?
  10. 妄想はあなたの創作活動をどのように形作ったり、影響を与えたりしますか? あなたは妄想を共有できますか?
  11. あなたがどうしても手放せない疑問は何ですか?
  12. もしあなたが突然方向転換して、まったく別のことを始めることができるとしたら、それは何でしょうか?

これらの質問、日本のアーティストの回答も聞きたいものです。

[参考記事]
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2024.9.25(秋葉美知子)