バーチャル・シンクタンクCreatequity が「アーツリサーチ賞」を創設
世界では、毎年、政府、財団、大学などが膨大な時間と資金をアート関する調査研究に投じている。それらの成果は、アート団体の事業計画や政府の文化政策、さらには広く社会問題の解決に寄与する知見を含んでいるはずだ。しかし、政策立案者をはじめ、関心を持ってほしい人たちに広く知られることなく、書棚や電子ファイルに埋もれていることが多いのが現状――そんな問題意識から、バーチャル・シンクタンクCreatequityは、世界で発表されたアートに関する調査研究を集め、気になる結果を毎月ウェブサイトで紹介している。
Createquity Arts Research Prizeは、この取り組みをさらに発展させ、優れた調査研究に賞を贈ろうというもので、現在ノミネーションを募集中だ。2016年に英語で発表された「アートについて、あるいはアート・オーディエンスを念頭において書かれた調査研究」を幅広く、世界各国から受け付けるが、特定のアーティストやアート作品についての研究や批評はNGだという。
4月10日に応募を締め切り、内部スタッフでの第一次審査、外部審査員による第二次審査を経て、6月までに受賞者を発表する予定という。その賞金はわずか500ドル。調査研究の支援ではなく成果の利用促進がこの賞のねらいだからか。ともかく、受賞研究の発表が楽しみだ。
(秋葉美知子)
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