寄付大国アメリカの芸術文化助成

「gia reader」 2019年冬号

アートNPOにとって、プロジェクトを計画するときに、受給できそうな助成金探しは欠かせない。日本には、芸術文化支援に積極的な資金提供者(グラントメーカー)がまだまだ少ないが、寄付大国アメリカではどうなのだろう?
米国・カナダの芸術文化助成団体を構成員とするネットワーク組織「Grantmakers in the Arts」が発行するマガジン「gia reader」に、米国の財団による芸術文化助成のトレンドに関する記事があった。それによると、メジャーな1,000財団による1万ドル以上の助成金(2016年)のうち、芸術文化に向けられたのは9%で、教育(26%)、健康(26%)、地域・経済開発(12%)、福祉(11%)に次いで5番目。その規模は、20,525件、総額約30億ドルだったという。件数では、1万~2万5,000ドルの助成が全体の約4割を占めるが、単純に平均すると、1件あたり約146,000ドル(約1,600万円)になる。ちなみに、2016年に最も多額の芸術文化助成をした財団は、カーネギー・M・メロン財団で、267件、約2億860万ドル(約230億円)だった。
Grantmakers in the ArtsのウェブサイトのNewsページには、芸術文化支援に関連する幅広い情報が掲載されており、SEA関連の記事も多く、アメリカの今の状況を知ることができる。

2019.4.15(秋葉美知子)