アートという戦場:ソーシャルアート入門

プラクティカ・ネットワーク(編)
2005

アートという戦場「ソーシャルアート」を、「作品づくりと並走しながら大衆(オーディエンス)を巻きこんでいくダイナミックな社会づくり」と定義し、SEAにつながる考え方を日本に紹介した先駆的なアンソロジー。「社会デザイン」「脱美術館・脱学校化」「労働の革新」「小さな共同体」「新しい政治化」「身体」「性」などの切り口から、社会を動かそうと戦い、活動するアートのマッピングを試みている。その先駆けとして、アーツ・アンド・クラフツ、ダダ、ロシア・アヴァンギャルド、バウハウス、フルクサス、ボイス、日本の前衛芸術運動など、近現代美術史の枠組みに位置づけられてきた「アヴァンギャルド・アート」を、新たな社会構築や意識変革をめざした活動として、より広い領域から再定義している。加えて、オーディエンスと協働するアートを実践するアーティストたちがソーシャルアートについて語っており、その実体験を通じた言説は興味深く説得力に富む。