Art and Social Change: A Critical Reader
アーティストたちが主導して、現実社会の問題をあぶり出し、変革しようとする活動は長い歴史を持っている。本書は、その時代、地域の社会運動と連携して闘争したり、アートをめぐる既存の制度に抵抗してきたアーティストたちの行動のベースとなったプロポーザルやマニフェスト、書簡、理論的テキストなどを集めたものである。1871年のパリ・コミューン、1917年のロシア革命、1968年の(ウォーラーステイン言うところの)近代世界システムの転換、1989年のソビエト連邦終焉をエポックメイキングな出来事として時代を4区分し、ギュスターヴ・クールベ、ウィリアム・モリスから、ダダイスト、シュールレアレスト、モホリ・ナジ、シチュアシオニスト・インターナショナル、アトリエ・ポピュレール、サンフランシスコ・ディガーズ、ブラック・パンサー党、ハンス・ハーケ、ゲリラ・アート・アクション・グループ、アウグスト・ボアール、ボニー・シャーク、グラン・フューリー、ギリェルモ・ゴメス=ペーニャ、パーク・フィクション、ヒト・スタイヤルまで、西欧、米国にとどまらず、東欧や中南米、アジアからの発信を含んだ74編のテキストと、ジェラルド・ラウニグ、ルーシー・リパードなど6人のライターによるエッセイを収録。2007年の出版だが、SEAが全世界で活発になっている今こそぜひ読みたいアンソロジーだ。
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