Art as Social Action:An Introduction to the Principles and Practices of Teaching Social Practice Art
編者のグレゴリー・ショレットは、アーティスト/批評家/アクティビストであると同時に、SEAの教育者として、ニューヨーク市立大学クイーンズ校とクイーンズ美術館とのパートナーシップによるMFAプログラム「ソーシャル・プラクティス・クイーンズ(SPQ)」を2012年に共同で創設し、指導している。共編者のクロエ・バースも現在SPQで教鞭を執っているアーティストだ。本書は、SPQでの実践を含め、SEAに関する学科や専門領域を持つ大学やアート・インスティチューションにおける、授業の課題やリサーチ、ワークショップやセミナーなどの具体的事例が40以上、米国を中心に世界から集めて紹介されている。一事例5ページ前後のボリュームで、それぞれについて、狙いや方法、記録写真、受講者が読むべき参考文献のリストが掲載され(グラント・ケスター、クレア・ビショップ、トム・フィンケルパールの著作が頻出する)、SEAが海外でどのように指導されているのかがわかる。また、二人の編者に加え、メアリー・ジェイン・ジェイコブ(ニュージャンル・パブリック・アートの先駆的キュレーター)、ジェン・デロス・レイエス(「オープン・エンゲイジメント」の創立者)によるエッセイ、パブロ・エルゲラ(『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門』の著者)へのインタビュー、スティーブ・ダンコム&スティーブ・ランバート(Center for Artistic Activismを主宰する二人組)へのインタビューもフューチャーされており、興味深い。
最近のコメント