Future Imperfect:A Blade of Grass, 2014-15

Elizabeth M. Grady (編)
2016

ア・ブレイド・オブ・グラス(ABOG)は、ソーシャリー・エンゲイジド・アートに焦点を絞り、アーティストがリードするSEAプロジェクトへの助成(フェローシップ・プログラム)を行うニューヨークのNPOである。2011年に設立された新しい組織だが、今やSEA支援のフロントランナーと言えるだろう。単なる資金提供ではなく、プロジェクト期間中に外部の評価者によるサイト訪問を数回にわたって実施、ビデオ・ドキュメンテーションの制作・公開、オンラインのディスカッション・フォーラムでSEAをめぐる課題を議論、フェローシップ・アーティストによるパブリック・プログラム開催等々…助成したプロジェクトが狙い通りの成果を得るためのサポートや活動を広く知らしめるための情報発信を非常に丁寧に行っている。本書もその一環で、助成プロジェクト紹介(メル・チン、パブロ・エルゲラ、フラン・イリッチ、ジョディ・ウッド他)をはじめ、ABOGのコンセプトや方法論、論客たち(G.ケスター、G.ショレット他)のエッセイやディスカッションなどが、権威主義的アートワールドに抵抗するように、カラフルで雑誌的なエディトリアル・デザインで収録されている。本文中に、美術評論家ベン・デイヴィスによるSEA批評が論争を巻き起こしたと書かれているが、その批評の全文は、以下のサイトで読める。http://isreview.org/issue/90/critique-social-practice-ar