オペレーション・ペイダート/ファンドレッド・ドル札プロジェクト
Operation Paydirt/Fundred Dollar Bill Project

国:
米国
年度:
2006~
アーティスト:
メル・チン 他(Mel Chin, et al.)
  • Courtesy of Operation Paydirt

  • これまでに約45,000,000枚のファンドレッド札が集まっている  Courtesy of Operation Paydirt

  • 2010年、現金輸送車が全米各地を回ってファンドレッド紙幣を集め、ワシントンDCへ届けた  Courtesy of Operation Paydirt

アーティスト、メル・チンは、ハリケーン・カトリーナ後の2006年にニューオーリンズを訪ねたとき、そこの土壌の鉛汚染が基準値をはるかに超えていることを知った。小児期の鉛中毒は、子どもたちに神経障害、難聴、学習障害を引き起こし、さらには低知能指数や暴力・非行にも関連すると言われている。早急の対策が必要だが、鉛汚染の除去には莫大な費用がかかる。しかも、この問題はニューオーリンズだけでなく全米各地で起こっている。そこで、メル・チンは、コミュニティを巻き込んで「オペレーション・ペイダート」と名づけた鉛中毒撲滅運動を開始。その中心となった活動が「ファンドレッド・ドル札プロジェクト」だ。これは、子どもたちが手描きでつくった架空のファンドレッド紙幣(HundredをもじってFundred)を何万枚も集め、現金輸送車に乗せて連邦議会に運び、1枚100ドル換算で鉛汚染対策費用を拠出させようというもの。こうしたクリエイティブな手法で人々に問題提起するとともに、具体的な汚染防止を進めるために、マサチューセッツ工科大学の都市計画学科のCoLabをはじめ、他の団体とのパートナーシップを強化している。

http://operationpaydirt.org/

http://fundred.org/