エディブル・エステーツ Edible Estates
アーティスト、フリッツ・ヘイグのイニシアティブによる「エディブル・エステーツ(食べられる私有地)」とは、タイトルが示唆する通り、住宅の前庭や未利用の私有地に野菜やハーブや果樹を植え、それをプロトタイプ庭園として地域に提案していこうというプロジェクト。これは単なる家庭菜園づくりとは異なり、アメリカン・ドリームの象徴としての郊外住宅の、一見美しく整えられた芝生の前庭に対する問い直しから始まった。美術館、アートセンター、建築大学などが主宰者となって、地域から自分の土地をエディブル・エステートに変えたい人を募集。場所の個性、オーナーの希望、コミュニティとその歴史、地理的条件や気候を考えながら、近隣の人々にインスピレーションを与えるようなプロトタイプ庭園を作りあげる。カンザス州サリナでの第1号(2005)から最後のミネソタ州ミネアポリス(2013)まで、米国だけでなく、イギリス、イタリア、トルコ、ハンガリーなど世界各地15カ所で実施された。画像は、ウォーカー・アート・センターのコミッションによってミネアポリス郊外のWoodburyで実施された第15号庭園のトランスフォーメーション過程。アーティストのディレクションのもと、近隣住民、ボランティアも大勢参加し、約2ヵ月間作業を行った。
《エディブル・エステーツ》は、小さな土地の使い方を考えることを通じて、私たちが隣人との関係や、食糧資源、ドアのすぐ外の自然環境との結びつきを再考する機会となることを目的としている。
http://www.fritzhaeg.com/garden/initiatives/edibleestates/main.html
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