12月13日(木)スタート『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』をテキストとする連続研究会開催・前期(4回)参加者募集 ※募集終了しました

アート&ソサイエティ研究センターSEA研究会の企画・編集によるアンソロジー『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』をテキストとする連続研究会を開催します。
本書は、SEAの系譜、理論、実践をさまざまな視点から取り上げていますが、研究会ではトム・フィンケルパールのエッセイ「社会的協同というアート~アメリカにおけるフレームワーク」に焦点を当てます。各回、このエッセイで展開されているいくつかの重要なトピックに関連して、専門家によるレクチャーを受け、時代背景や思想をより深く理解するとともに、現在の日本の状況に照らしながら、SEAという芸術実践が起こった理由とその意味を、参加者と共にディスカッションしていく予定です。
研究会は、前期4回、後期4回の日程で開催。現在、前期の参加者を募集しています。

  • 前期スケジュールとテーマ・講師

第1回 2018年12月13日(木)18:30 ~20:30
用語の定義
フィンケルパールは「ソーシャリー・コオペラティブ・アート」と呼んでいますが、その意味は「ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA)」とほぼ同義です。これらの他にも、英語圏では同様の芸術実践を表現する言葉が数多く生まれてきました(「ソーシャル・プラクティス」など)。第1回では、用語の意味と成り立ちを考察します。
講師:アート&ソサイエティ研究センターSEA研究会(工藤安代、清水裕子、秋葉美知子)

第2回 2019年1月11日(金)18:30 ~20:30
米国1960年代の社会運動、公民権、コミュニティ・オーガナイジング
米国でのSEA出現の原点を理解するために、歴史的なコンテクストを学んでいきます。この回は、1960年代の公民権運動(アフリカ系アメリカ人の差別撤廃と法の下の平等、市民としての自由と権利を求める運動)と、それに端を発する対抗団体によるコミュニティ・オーガナイジングが社会に与えた影響を考察します。
講師:梅崎透(フェリス女学院大学教授)

第3回 2019年1月24日(木)18:30 ~20:30
米国1960年代のムーブメントと参加民主主義
1960年代には、参加型民主主義に基づいて、既成の価値観や行動規範に抵抗するカウンターカルチャー運動が開花し、サンフランシスコやニューヨークで参加型政治演劇やゲリラアクションが、ムーブメントを牽引しました。世界的に「政治の季節」だった1960年代の思想と出来事を、米国と日本を対照させながら考察します。
講師:五野井郁夫(高千穂大学教授)

第4回 2019年2月21日(木)18:30 ~20:30
米国におけるコオペラティブ・アートの先駆者~フルクサス、カプロー
第2回、第3回で学んだ1960年代、米国の社会的背景から「コオペラティブ・アート(協同志向のアート)」が生まれ、その後の展開に重要な役割を果たしました。その創始者的存在であるフルクサスやアラン・カプローの試みを学ぶと同時に、日本の同時代の前衛と反芸術と比較検討し、美術業界、歴史主義、形式主義に一線を置いて表現活動を展開したアーティストについて実践者の立場から考察します。
講師:中ザワヒデキ(美術家)

  • 開催概要

会 場 3331 Arts Chiyoda B105マルチスペース https://www.3331.jp/access/
定 員 30名(先着順)
参加費 4,000円(全4回分)※第1回研究会においてお支払いください。
参加にあたって
– 事前に『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの系譜・理論・実践』(フィルムアート社)をお読みください。
– 可能な限り、4回すべてにご参加ください。

  • 講師プロフィール

梅崎透(うめざきとおる)
1971年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学、米国コロンビア大学大学院歴史学科博士課程修了。フェリス女学院大学文学部教授。専門は、アメリカ史・歴史学。主な論文:「三つの世界」のなかのアメリカ「六〇年代」ニューヨーク自由大学とニューレフトの「革命」/「内なる反知性主義」―1968年コロンビア大学ストライキと知識人。共編著に『グローバル・ヒストリーとしての「1968年」:世界が揺れた転換点』(ミネルヴァ書房)

五野井郁夫(ごのいいくお)
1979年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了(学術博士)。高千穂大学経営学部教授。専門は民主主義論。著書に『「デモ」とは何か――変貌する直接民主主義』(NHKブックス)、共編著に『現代アートの本当の楽しみ方』(フィルムアート社)他。遠藤水城による「水平線効果」(nca | nichido contemporary art)にも設営協力。

中ザワヒデキ(なかざわひでき)
美術家。1963年、新潟県生まれ。千葉大学医学部卒。1990年代の「バカCG」を経て、2000年「方法主義宣言」、2010年「新・方法主義宣言」、2016年「人工知能美学芸術宣言」。3Dプリンタ関連特許、著書『現代美術史日本篇 1945-2014』、CD『中ザワヒデキ音楽作品集』。元・文化庁メディア芸術祭審査委員。人工知能美学芸術研究会発起人代表。

  • お申込み

下記アート&ソサイエティ研究センターのウェブサイト画面のGoogleフォームよりお申込ください。

【SEAレクチャー+ディスカッション・シリーズ】『ソーシャリー・エンゲイジド・アートの 系譜・理論・実践』を読み解く-アメリカにおける系譜を中心に