オルタナティブ・スペースの草分け、フランクリン・ファーネスは、Still Radical!

Franklin Furnace

Franklin Furnaceのウェブサイトより

1970年代ニューヨークのオルタナティブ・スペース・ムーブメントを牽引し、80年代は、いわゆる「カルチャー・ウォーズ」の渦中でアーティスト支援を続け、SEAの歴史にも大きな貢献をしてきた非営利ギャラリー、フランクリン・ファーネス(Franklin Furnace)。今ではもう伝説の存在? と思ったら、ギャラリー・スペースこそ持っていないが、パフォーマンス・アーティストへの助成プログラムやアーカイブ事業などを行う“バーチャル・インスティテューション”として、まだまだ健在である。

FFは昨年春から、創設40周年の記念イベントを実施しており、その締めくくりとして、4月22日に、チェルシーのMETRO PICTURESでアート・オークションが行われる。これをきっかけに、創立者のマーサ・ウィルソンや美術史家のルーシー・リパードへのインタビューを交えてFFの歴史をたどり、再評価する記事が、Hyperallergicに掲載されている。

ウィルソンは言う。「40年を経て、私たちは2つの役割を果たしているのに気づいています。アヴァンギャルド・アーティストを支援し続けている(つまり私たちは常に時代の先を見ている)と同時に、近年のアヴァンギャルドの歴史をアーカイブすることによって、過去を振り返ってもいます」。「80年代はつらい時代だったと思います。しかし、私たちの想像を超えて物事が悪化している今日、ファーネスの歴史は特別の響きを持っています」と、リパードは言う。

オンラインでも開催中のオークションの収益は、フランクリン・ファーネス・アーカイブのために使われる。

(秋葉美知子)