ロンドン市長が32の特別区対象に文化イベントのコンペを立ち上げ
「文化はロンドンのDNA」と言うロンドンのサディク・カーン市長は、欧州文化都市や英国文化都市事業にインスパイアされ、「ロンドン文化特別区」という名の企画コンペを実施することを発表した。ロンドンの32の特別区を対象として、文化イベントや幅広いクリエイティブワークを募集して審査し、2019年と2020年に1件ずつ優勝区を決定。「ロンドン文化特別区」の称号と、それぞれ、最大110万ポンド(約1億6000万円)の実施費用が与えられる(総予算の30%は自己調達)。さらに、次点を6件選び、総額60万ポンド(約9000万円)を分割支給するという。
このコンペを広報する動画には、市長のメッセージとして、こんな文言が踊っている。
ロンドンは世界の文化首都です。
私たちのコミュニティとネイバーフッドは創造性と独自性の豊かなつづれ織りで、その表現の多様性はロンドンが活力ある都市であることを物語っています。
そして今、首都の文化はこれまで以上にエキサイティングになっています。
だからこそ、この偉大な都市の市長として、初めての「ロンドン文化特別区コンペティション」を立ち上げることを誇りに思います。
ロンドンのどの特別区も、人々とアイディアを結集する文化プログラムを実行するチャンスを勝ち取ることができます。
文化は、生活を変革する素晴らしい力を持っています。新しい友情を築き、新しい物語を語り、新しい歴史を書き上げます。
今こそ、あなたの区がその創造性、コラボレーション、そして個性を世に知らせるために取り組むときです。
「ロンドン文化特別区」の称号を得て、あなたの区がいかに刺激的かをロンドンに見せましょう。
さあ「ロンドン文化特別区」に応募しましょう。
イギリスの文化的多様性と競争社会を象徴するような文化政策。ゲームチェンジングなプログラムを期待するということだが、コミュニティ・レベルでビッグ・プロジェクトを実現するチャンスになる一方、創造都市政策を補強する道具になるのでは?という懸念も出てきそうだ。応募締め切りは2017年12月1日。審査発表は2018年2月に予定されている。好事例紹介を含むカラフルなガイドブックもつくられており、日本の都市の文化政策の参考にしたい方はダウンロードを。
(秋葉美知子)
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