MAMリサーチ006:クロニクル京都1990s ―ダイアモンズ・アー・フォーエバー、アートスケープ、そして私は誰かと踊る
本サイトの参考文献『社会の芸術/芸術という社会』の紹介ページに、“竹田恵子による「ソーシャリー・エンゲイジド・アートとしての90年代京都における社会/芸術運動と『S/N』」と題するエッセイは、ダムタイプのメンバーだった古橋悌二のHIV感染をきっかけに京都で展開したエイズ・アクティビズムとパフォーマンス作品『S/N』を、パブロ・エルゲラのSEA解釈に基づいて論じたもので、日本におけるSEAを掘り起こす”と書いた。このムーブメントが起こった1990年代の京都では、多様な主体による自由な表現活動が熱く展開していた。その当時のカルチャーシーンを振り返り、検証する展覧会が、2018年10月6日から2019年1月20日まで、森美術館で開催された。本書はその記録集で、石谷治寛のエッセイ他、豊富な写真資料、年表、トークセッションの記録などで構成されている。中心はもちろん、ダムタイプと古橋悌二の活動。古橋が1992年10月11日に「真の友人」宛てに送った手紙が3ページにわたって全文掲載されており、心打たれる。アーカイブ価値のある本書だが、残念ながら森美術館のミュージアムショップのみでの販売となっている。問い合わせ:Tel:03-6406-6118
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