アートプロジェクトの悩み 現場のプロたちはいつも何に直面しているのか

小川希(編)
2016

東京・吉祥寺でギャラリ-・カフェ「Art Center Ongoing」を運営する小川希がホストとなって開催した連続トークショー「アートプロジェクトで789(なやむ)」を採録した対談集。タイトル通り、現場で活躍するアーティスト、ディレクター、キュレーターらをゲストに、その「悩み」をテーマに語り合うというもの。「アート業界でとう食べていくか」「税金をアートに投資することをどう考えるか」「プロジェクトは誰に向けて発信する?」「プロジェクトは何をどう残す?」など、しばしば取り上げられるトピックが俎上に載っている。それぞれの議論は深まってはいないが、「アートの現場で雇用の機会を増やすよう国の方針が変わっていく可能性は?」「日本の社会で起こりつつある大きな変革に対して、アーティストが政治的なことを無視して作品を作っていいのか」「税金を使うアートプロジェクトは開かれていないといけないとか、その地域に何かしら寄与しないといけないとか、いろいろ制約がある」「アートプロジェクトは限られたNPOのまわりに結構な額のお金が投入され、そこに関係している人たちだけでそのお金を回している印象を受けることがある」「ビエンナーレやトリエンナーレによく呼ばれる作家は、同じことを求められるので疲弊しているという話を聞く」「自分たちのやっていることはあくまでも美術作品という意識はあるのか」といった小川氏の指摘は、まさにオンゴ―イングで答えが求められている。