Fair Play:Art, Performance and Neoliberalism
イギリスのオーディエンス参加型アートとパフォーマンスをめぐる状況を論じた一冊。イギリスではアーツカウンシルが「アームズレングスの原則」に基づいて、芸術文化に対する理想的な公的助成を行っている、と言われてきた。しかし、1997年のニューレイバー政権の誕生から2008年の景気後退、2010年の保守連立政権成立への流れの中で、ネオリベラリズムが社会全体に浸透し、芸術文化政策も大きく転換しているという。アーティストやアート団体は起業家精神や多様なファンドレイジング能力が求められ、無償の労働を利用し、創造都市政策で加速するジェントリフィケーションの片棒をかつぐ…筆者はそういった状況のベネフィットにも言及しながら、より批判的に分析し、ソーシャル・エンゲイジメントを取り戻し、支え、拡張するアートの可能性を探る。事例として、ロンドンの演劇集団Punchdrunkのユニークな活動が、プロダクションから資金調達まで詳しく紹介されており、興味深い。
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