SEAラボブログ

アメリカの公的芸術文化助成

2019年04月27日

出所:https://www.giarts.org/index.php/article/public-funding-arts-2017

前回の投稿で、米国の財団による芸術文化助成について紹介したが、今回は参考までに公的助成を見てみよう。
米国の公的芸術文化助成は、連邦政府機関の全米芸術基金(National Endowment for the Arts =NEA)によるものと、地方政府予算によるものに分けられる。これは日本でも文化庁と都道府県・市区町村がそれぞれ芸術文化予算を持っているのと同様だ。米国の仕組みは、NEAは全米規模の独自プログラムを実施すると同時に、総助成予算の約40%を交付金のようなかたちで各州の受け皿(ステート・アーツ・エージェンシー=SAAと総称される組織。それぞれ、○○アーツカウンシル、○○アーツコミッションなど個別の名称を持つ)に配分している。SAAは、このNEAからの分配金に州政府からの予算を加えて、アーティストやアートNPO支援、アート教育、コミュニティ活性化、パブリック・アートなどさまざまな事業を行っている。さらに各州の地方自治体(市や郡)にも総数4,500にのぼる芸術文化組織があり(ローカル・アーツ・エージェンシー=LAAと呼ばれる)(注)、地方政府からの予算措置や民間からの支援を得ながら活動している。
しかし、米国では芸術文化は基本的に私的領域と見なされ、公的支援には消極的で、それは政府予算の規模から明らかだ。2017年度(米国の会計年度は前年10月から当年9月まで)のNEAの予算は約165億円、SAAに対する州の予算措置は約375億円、LAAに対する地方政府の予算措置は約910億円、合計約1,450億円である。この数字は、メジャーな1,000財団による1万ドル以上の助成金だけを集計した総額が約3,300億円(2016年)だったことと比較すると、半分以下にすぎない。それでもトランプ政権は、発足以来予算教書提出のたびに、NEAと姉妹機関NEH(全米人文科学基金)の廃止を盛り込んでいる。

出所:「地方における文化行政の状況について(平成28年度)」(文化庁)

対して、日本の公的芸術文化助成はどのくらいかというと、NEAにほぼ相当する文化庁の予算は2016年度で1,040億円(NEAの約6倍)、都道府県・市区町村の芸術文化関係経費は4,489億円で、合計5,529億円。この数字はピーク時(1993年)の約半分だが、これでも米国の同様の公的支出の約3.8倍になる。

(注)米国のローカル・アーツ・エージェンシーは、3割が自治体の直営、7割がNPO。自治体直営組織では予算のうち公費の割合が59%なのに対し、NPOでは17%にとどまる。

 

 

日本の状況について詳しくは、
「文化芸術関連データ集」(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/seisaku/15/03/pdf/r1396381_11.pdf
「地方における文化行政の状況について(平成28年度)」(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/chiho_bunkagyosei/pdf/r1393030_01.pdf

2019.4.27(秋葉美知子)

寄付大国アメリカの芸術文化助成

2019年04月15日

「gia reader」 2019年冬号

アートNPOにとって、プロジェクトを計画するときに、受給できそうな助成金探しは欠かせない。日本には、芸術文化支援に積極的な資金提供者(グラントメーカー)がまだまだ少ないが、寄付大国アメリカではどうなのだろう?
米国・カナダの芸術文化助成団体を構成員とするネットワーク組織「Grantmakers in the Arts」が発行するマガジン「gia reader」に、米国の財団による芸術文化助成のトレンドに関する記事があった。それによると、メジャーな1,000財団による1万ドル以上の助成金(2016年)のうち、芸術文化に向けられたのは9%で、教育(26%)、健康(26%)、地域・経済開発(12%)、福祉(11%)に次いで5番目。その規模は、20,525件、総額約30億ドルだったという。件数では、1万~2万5,000ドルの助成が全体の約4割を占めるが、単純に平均すると、1件あたり約146,000ドル(約1,600万円)になる。ちなみに、2016年に最も多額の芸術文化助成をした財団は、カーネギー・M・メロン財団で、267件、約2億860万ドル(約230億円)だった。
Grantmakers in the ArtsのウェブサイトのNewsページには、芸術文化支援に関連する幅広い情報が掲載されており、SEA関連の記事も多く、アメリカの今の状況を知ることができる。

2019.4.15(秋葉美知子)

「FIELD」の最新号は世界各地のアートとアクティビズムの現状をレポート

2019年03月06日

SEAの論客として知られるグラント・ケスター(美術史家、UCサンディエゴ教授)が2015年春に「A Journal of Socially-Engaged Art Criticism」というサブタイトルで創刊したウェブ・ジャーナル「FIELD」は、毎号読み応えのあるエッセイが掲載されていて、SEA分野の理論と実践の世界的動向を知るうえで大変参考になる。2017年の第7号第8号では、「Japan’s Social Turn(日本の社会的転回)」をテーマに、歴史的考察や震災後のアーティストの活動、地域再生に関わるアートプロジェクト、ろくでなし子のメディア・アクティビズム、A3BC: 反戦・反核・版画コレクティブなど、さまざまな視点から日本の社会的転回を取り上げていた。

その最新号が、第12・13合併号として3月初めに発刊された。「Art, Anti-Globalism, and the Neo-Authoritarian Turn(アート、反グローバリズム、新権威主義的転回)」をテーマに掲げ、アーティスト/アクティビスト/批評家、そしてNYのクイーンズ・カレッジで「ソーシャル・プラクティス・クイーンズ」という大学院プログラムを指導する教育者でもあるグレゴリー・ショレットが、世界の仲間(アーティスト、アクティビスト、歴史家、批評家、キュレーター)に呼びかけて集めた32編のエッセイが収録されている。トランプとブレクジットに象徴される反動的ナショナリズムが世界各地で進行している中、その権威主義的ルール、抑圧のシステムに対して、ソーシャリー・エンゲイジド・アートがどのように対抗しているかを現場からレポートし、アクティビストとアーティストの連携や交換の可能性を開こうという企画である。

コンテンツは地域別にグルーピングされており、ケスターによる編集長コメントと、ショレットによるイントロダクションを読んだ後、興味のある記事を検索するとよいかもしれない。ヨーロッパと北アメリカからの寄稿が多いが、東アジアからも、朴槿恵大統領を退陣に追い込んだソウル光化門広場でのロウソク集会について韓国人キュレーター、ヘン・ギル・ハンが書いたエッセイや、中国のアーティスト、ジェン・ボーによる「The Current State of Socially Engaged Art in Mainland China」と題するエッセイなどが収録されている。

2019.3.6(秋葉美知子)

スザンヌ・レイシー初の大規模回顧展が4月からサンフランシスコで開催

2019年01月22日

サンフランシスコ近代美術館のウェブサイトより

イエルバ・ブエナ芸術センターのウェブサイトより

米国LAを拠点とするアーティスト、スザンヌ・レイシーは、1970年代からフェミニスト・アートを牽引し、90年代には「ニュージャンル・パブリック・アート」という用語をつくり出し、ソーシャリー・エンゲイジド・アートのパイオニアとして、また教育者、著述家として、実践と理論の両面で長いキャリアを築いている。その大規模な回顧展が、4月20日から8月4日まで、サンフランシスコ近代美術館とその隣に立地するイエルバ・ブエナ芸術センターで開催される。

パブリック・アートやSEA(あるいはソーシャル・プラクティス)の分野ではすでに大御所的存在のレイシーだが、メジャーな美術館でのソロ展覧会は初めて。それだけに、期待も高まる。というのも、レイシーのような、美術館での展覧会を主目的に作品制作をしているのではなく、社会的な「プロセス」に重心を置くアーティストが、自身の過去のプロジェクトを美術館のハコの中でどのようにプレゼンテーションするのか? 彼女のことだから、単に過去のアートワークの記録写真やビデオの展示・上映、インスタレーションの再構成などで終わるとは思えない。

レイシーは、2017年2月に森美術館で行われた国際シンポジウム「現代美術館は、新しい『学び』の場となり得るか?」の基調講演で、「ソーシャル・プラクティス・アーティストと美術館」をテーマに、自身の経験を事例に非常に重要な問題提起をしていた。

「美術館が他の場所で発生したプロジェクトを見せるとき、さまざまな問題が出てきます。ひとつは、そのアートワークが最初の場所でもたらした感情的、政治的インパクトを美術館でどのように再現できるか、あるいはそもそも再現は可能なのか。もうひとつは、その実践における社会的、交渉的側面がどのように示されるかです」(注1)

美術館の展示の作法は現場での実践とは違う、オーディエンスも違う。
「コミュニティに深く入り込んだ活動は、美術館の美学的環境に適しているのか? 美学に重点を置く場合は、コミュニティの参加者を作品の素材として利用しているのではないか? そのアートワークが活動のレガシーを失わずに美術館に収蔵され、展示されるにはどんな方法があるのか。そのアートワークをさまざまな場所で紹介するために必要なコミュニケーションの形式には、どんなものがあるでしょうか」(注2)
その答えは、「We Are Here」というタイトルにあるのかもしれない。

注1 森美術館, MAM Documents 003『現代美術館は、新しい「学び」の場となりえるか? エデュケーションからラーニングへ』, 2018, p.41
注2 同書、p.53

2019.1.22(秋葉美知子)

クリエイティブ・タイムが初めてパブリック・アートワークを公募

2018年12月08日

Creative Timeのウェブサイトより

過去40年以上にわたって、都市の公共空間を舞台に、アーティストの挑戦的な創造活動をプロデュースしてきたニューヨークのNPO、クリエイティブ・タイムが初めて、アーティストから企画提案を募集している。クリエイティブ・タイムと言えば、2011年に世界のソーシャリー・エンゲイジド・アートを概観する展覧会「リビング・アズ・フォーム」展をオーガナイズしたことでも知られる。このNPOがどんな公募をしているか、そのOverviewを和訳してみた。


この冬、クリエイティブ・タイムは、アーティストからパブリック・アートワークのプロポーザルを募集します。この公募は、ニューヨークを拠点に活動中で、キャリアにおいて重要な時期にあり、公的コミッション、あるいはメジャーな芸術組織からの十分な支援を受けたことのないアーティストを対象としています。私たちは、型にはまらない発表形態をとり、喫緊の社会問題を取り上げ、開かれた討論を生み出すようなアイディアに最も関心をもっています。プロポーザルは12月10日から1月18日に受け付け、選ばれたプロジェクトは2019年の春/夏にニューヨークで実施します。

私たちは、大胆かつ野心的なアイディアを歓迎します。サイズやスケールに規定はありません。控えめな提案からドラマティックな行為まで可能です。私たちは、あなたのアートワークがいかに現在の問題や社会的コンテクストと取り組んでいるかを知りたいのです。それは、特定の関心事に、コミュニティに、あるいは歴史に応えて考えられたものなのか? それが何であろうと、そのアイディアはタイムリーで、人々の批評的意見交換の火付け役となる可能性をもっていなければなりません。

この公募は、アーティストにとって、公共領域において新しいアイディアを実験するとともに、価値あるリソースとしてクリエイティブ・タイムを利用する好機となるはずです。私たちには、40年以上にわたって、アーティストとそのアイディアを、危険負担、議論の促進、制作のノウハウ、問題解決を通じて支援してきた歴史があります。つまり、私たちはあなたのためにあるのです。

クリエイティブ・タイムには、新進アーティストでも著名なアーティストでも、特定のメディアにおいて、あるいはそれを超えて、自身のプロセスを先鋭的に変化させようとする人たちを支持してきたレガシーがあります。この公募は、その歴史に応えるものであり、全てのキャリア段階のアーティストたちの、現代の重大な問題に対するアイディアの豊かさと重要性に光を当てるために企画したものです。


制作予算は5万ドルが上限で、アーティスト・フィーも支給されるという。来年の2月に発表される選考結果が楽しみだ。第1回の募集はニューヨーク都市圏在住のアーティストに限定されているが、今後地域を拡張する予定もあるようだ。

2018.12.8(秋葉美知子)

オペラ界もSEAに接近?

2018年11月22日

NEXT CITYのウェブサイトより

米国のウェブ・ジャーナル「NEXT CITY」に、「今日的社会課題にエンゲイジすることは、オペラを救えるか?」と題する興味深い記事があった。オペラというと、堅苦しく、贅沢で、エリート好みの芸術様式というイメージがあり、近年、オペラ公演はチケット販売がだんだん難しくなっている。アメリカ3大オペラ・ハウスの一つ、シカゴのリリック・オペラでも、経営側がオーケストラ団員に対して、人員の削減、給与減額、公演期間の短縮などを求めたのに対し、楽団員たちは10月9日から5日間ストライキを行った。交渉の結果、いくつかの合意のもとでストライキは終結したが、根本的な問題は依然として残っている。

そんな状況のなか、オペラの制作者側が、よりカジュアルな舞台設定で、ソーシャリー・エンゲイジド・オペラに挑戦しているという。その事例としてあげられているのが、ニューヨークの建築家と作曲家のコラボレーション「The Mile-Long Opera」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校のグループによる室内オペラ「Inheritance」だ。

「The Mile-Long Opera」は、今では観光名所にもなっているマンハッタンの1.45マイルにわたる高架型都市公園「ハイライン」の上に、市内各地区の合唱団から参加した1,000人の歌手が並んで、ニューヨーカーの生活を歌い、語るというパフォーマンス。歌詞と語りは、さまざまな職業のニューヨーカー数百人に対する「あなたにとっての午後7時の意味は?」というインタビューをもとに書かれたもの。10月3日から8日まで、毎晩7時から行われたこの屋外オペラ、約15,000人のオーディエンス(無料・予約制)が来場し、歌手たちの間を歩きながら歌と語りを聞いたという。

「Inheritance」は、銃による暴力というアメリカ社会で深刻化するテーマを扱っている。ウィンチェスター銃のビジネスで築いた夫の財産を相続した未亡人、サラ・ウィンチェスターが、迷宮のような自邸で、その銃によって殺された人々の霊に呪われ続けたという実話に基づき、全米で頻発する銃乱射事件と重ね合わせる新作オペラだ。10月24日から27日に、UCサンディエゴのExperimental Theater of the Conrad Prebys Music Centerで初演された。公演後にアフタートークなどのイベントは予定されていなかったにもかかわらず、観客は1時間以上その場に残って話し合っていたという。

オペラを公共の場に開いたり、社会問題に切り込むこのような試みは、保守的なオペラ界に、あるいは混迷する社会にどんな影響を与えるだろうか。

2018.11.22(秋葉美知子)

トランスジェンダーの人物の人称代名詞

2018年10月26日

ヴェラ・リスト芸術・政治学センターのウェブサイトより

ニューヨークのニュースクール大学ヴェラ・リスト芸術・政治学センターのフェローシップ・プログラムは、芸術と政治についての論考を前進させるような活動をしているアーティストやキュレーター、批評家、研究者を選考し、大学のリソースを提供しながら彼らのプロジェクトを2年にわたって支援している。2018-2020年のフェローには、ビジュアル・アーティストのDean Erdmannとアーティスト/キュレーター/評論家のHelene Kazanが選ばれ、去る10月5日の「ヴェラ・リスト・センター・フォーラム:もしアートが政治ならば」で発表された。2人のプロフィールとプロジェクトは、センターのウェブサイトに掲載されており、Erdmannは、アメリカの非自由主義についての半自伝的環境インスタレーションを創作、Kazanは、国際法、建築、暴力体験の交差点を探求する多分野横断型展覧会とパブリック・プログラムを行うという。

ここで気づいたのは、アーティストDean Erdmannの紹介文で、明らかに個人のアーティストなのに、人称代名詞が“they”になっていること。つまり、このアーティストはトランスジェンダーだということを意味している。

マスコミにおけるトランスジェンダーの人物の人称代名詞について、ニューヨークタイムズに興味深い記事があった。これまでさまざまな試行錯誤があったようだが、今日、トランスジェンダーの人物の多くは従来の“he”または“she”を選ぶという。しかし、あえて“they”“them” “their”を選んで自らのジェンダー・アイデンティティを明示しようとする人もいる。ワシントンポスト紙とAP通信は、場合に応じて単数扱いの“they”を許容しているという。英文の記事を読むとき、これは頭に止めておきたい。

2018.10.26(秋葉美知子)

英国アーツカウンシルが芸術文化施設のリーダーシップに関する調査を公表

2018年10月12日

調査熱心な英国アーツカウンシル(ACE)が、「Changing cultures~Transforming leadership in the arts, museums and libraries」と題する新しい調査レポートを公表した。芸術文化施設におけるリーダーシップの現状と今後の在り方に関する調査で、ACEが2020年から30年に予定している人材育成戦略の参考にするため、コンサルタントのSue Hoyleとキングス・カレッジ・ロンドンに委託したものだ。
英国でも、文化労働者(cultural workers)は低賃金、過重労働でワークライフバランスを欠き、燃え尽き症候群の危険にさらされているという。このレポートは、組織におけるリーダー育成(トップレベルだけでなく、雇用者やフリーランサーを含むすべてのレベルにおいて)の在り方に注目し、これからのリーダーに必要とされる技術、特性、態度を示すとともに、リーダーシップ研修などの能力開発プログラムにとどまらず、よりフラットで多様な組織文化や、他施設・他分野とのネットワークの重要性を強調している。
約80ページの報告書はPDF版をダウンロードできるが、インパクトのある写真やカラフルな図表を駆使したエディトリアル・デザインは、「さすが」とでも言おうか。

                          2018.10.12(秋葉美知子)

ア・ブレイド・オブ・グラスがSEAマガジンを創刊

2018年09月26日

SEAに取り組む米国のアーティストに対象を絞り、プロジェクト資金の助成と活動支援を行っているアートNPO「A Blade of Grass(ABOG)」が、2016年発刊の書籍『Future Imperfect』に続き、今度はSEAマガジン(年2回発行)を創刊した。

ABOGのフェローシップ・プログラムが類似の助成事業と異なる特徴は、選考したプロジェクトに対して単に資金提供するだけでなく、実践の現場を継続して追いかけ、リサーチ、レポートし、ドキュメンタリー映像の制作までを行っている点だ。その目的は、個別プロジェクトの評価にとどまらず、SEAという分野をより可視化することだという。そうすると、このマガジンの創刊も、当然といえば当然かもしれない。

ABOGエグゼクティブ・ディレクター、デボラ・フィッシャーは、これまで丁寧なフィールド・リサーチを重ねて得た情報や知見から、ビッグ・アイディアが、いかに小さな決断や行動を通して実現に至るかがわかった。それを広く共有し、人々をSEAに誘いたいという。

89ページに及ぶ創刊号のテーマは「WHERE」。リック・ロウへのインタビュー、ジャッキー・スメルの「Solitary Gardens」(独房に監禁されている囚人たちが独房と同サイズの庭を空地につくるプロジェクト)を、ABOGのフィールド・リサーチャー、参加者、キュレーター(第三者として)の視点で見る記事、来年春にサンフランシスコで開催予定のスザンヌ・レイシーの回顧展をキュレーションしているドミニク・ウィルスドンのエッセイ、ルーシー・リパードの1984年の著作から転載した「This Is Art? The Alienation of the Avant Garde from the Audience」と題するエッセイなど、興味深いコンテンツが並んでいる。。

冊子版はABOGのイベントでの配布のみだが、オンラインでデジタルブックを読むことができ、PDFをダウンロードすることもできる。

2018.9.26(秋葉美知子)